高い燃料補給能力を水素駆動で

2022年6月1日ヴェルターにて
Poppe+Potthoffのタンクバルブが、EC 79準拠の最終試験に合格

エミッションフリーな未来の実現に大きく寄与する燃料電池技術。水素は、可動式でも固定式でも使用でき、エネルギー転換に大きく貢献することができる燃料です。電気モビリティにおいて、燃料電池には優位性があります。燃料電池電気自動車(FCEV)はバッテリーが小さく、バッテリー式電気自動車(BEV)に比べて、より高い積載量でより長い航続距離を実現することができるためです。燃料電池のもう一つの利点は、FCEVの燃料補給時間が大幅に短縮できることです。このような利点があるからというだけにとどまらず、FCEV市場は大きな成長の可能性を秘めています。特にアジアと米国では、将来的に燃料電池技術に頼ることになりそうです。例えば、中国ならびにアメリカのカリフォルニア州では、2030年までにFCEVが100万台になることが目標とされています。

燃料電池駆動の利点を最大限に活用するためには、とりわけ、運転中の確実な水素供給と燃料補給時間が可能な限り短いことが必須となります。ここで重要な役割を果たすのが、水素タンクのバルブです。Poppe+Potthoffが特別に開発したオンタンクバルブ(OTV)で、可動式でも固定式でも、水素システムのタンク用の新しいソリューションをご提供します。OTVは、各タンクに取り付けることも、分配レールを介して複数のタンクに取り付けることも可能です。そのため、OTVはシステム構成に応じて、タンクシリンダーへの直列充填と並列充填を可能にします。革新的なフロー制御により圧力損失を低減し、乗用車の燃料補給において、GTR13規格で言われている60 g/秒と比べてよりスピーディーな燃料補給を可能にしました。これは特に、商用車での使用においてメリットがあると言えます。燃料補給時間の短縮に加え、モジュール式OTVの重量最適化も、OTV開発の目的の一つとしたためです。これにより、重量1300 g以下という軽量化と、電磁弁の取り付けを含めて直径177 mmというコンパクト設計を実現することができました。

OTVのモジュール設計により、別のコンポーネントを簡単に組み入れることが可能です。Poppe+Potthoffは、OTVを効果的にご利用いただけるよう、できる限りユーザーフレンドリーな設計を心がけました。燃料の充填・回収用の中央コネクタと、ミドルTPRDなどのオプションのコネクタがあり、ケーブルの差込口はすべて片側に揃っています。この設計により、組み立てがより簡単になりました。Poppe+Potthoffは、開発段階で組み立てシミュレーションを繰り返し、OTVのアクセシビリティを非常に高いレベルで実現することができました。組み立て用の専用工具も、Poppe+Potthoffでご提供しています。

OTVの開発では、このような部品にお客様が求める要件に焦点を当てたことで、最高のパフォーマンスを確実に実現するソリューションの開発が可能となりました。OTVは現在、欧州の認証を取得中です。EC 79 / EU規則No.406に則った試験合格により、重要なステップの到達に成功しました。Poppe+Potthoffは、お客様とともに、またお客様のために、それぞれのニーズに合うそして効率的なシステムソリューションを開発するパートナーです。

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